2010年度取材

中村 英俊 准教授
中村英俊ゼミナール(政治経済学部 政治学科)
所在地:早稲田キャンパス8号館

2年かけ、自分のテーマを「研究」にする

 4年生のゼミにおじゃますると、ゼミ生がひとりずつ自分のテーマについて短いレクチャーをしてくれました。「イラク戦争についてのアメリカの考え方」「EUの教育政策」「北朝鮮の拉致問題について」「パレスチナ問題の和平的解決プロセス」などなど。
 専門的な、というよりは“誰でもニュースとして聞いたことはあるけれど深くは知らない”という問題が多いですね。「そうですね。自分が興味のあることをテーマにします。まず好奇心を持つことが、研究のはじまりです。でも新聞などで調べて発表するだけでは大学(の勉強)じゃない。ゼミではまず、その分野で学者が何をしてきたかを読むところから始めます」と中村先生。
 3年の前期は全員でテキスト(英語の専門書)を読み、夏の合宿でだいたいのテーマを決めます。3年後期にはそれぞれのテーマに関する先行研究(研究者の書いた論文。これも英語)を読んでいきます。4年になるとそれまでの勉強を踏まえて、自分の研究を進めていくのです。

 この日のゼミで、自分の研究についての中間発表をした日沖七瀬さんは「発表の前には1か月くらい、図書館に通いつめて準備しました。だいたい3カ月に1回くらい発表が回ってきますから、けっこう忙しいです」と言います。「でも、困った時は先生が何でも相談にのってくれるし、いつでもメールしていいと言われています。面倒見のいい先生です」。
 ゼミの幹事長、赤塚宏行さんも「中村ゼミにはいってよかったと思うのは、2年間しっかり卒論指導をしてくれること。他のゼミより卒論への取り組みが早く、じっくり勉強できるので充実感があります」。
 ゼミ終了後、教室を出ようとする先生を何人かの学生がすかさずつかまえて、質問をしたり、相談にのってもらう時間を予約したりしていました。なるほど、面倒見のいい先生という表現がぴったり。ゼミ生は先生の助けを借りながら、2年かけて「好奇心」を「研究」に高めていくのですね。

4年・日沖 七瀬さん 4年・赤塚 宏行さん

世界をフィールドにしたい!

 中村先生が国際政治を専門にしたきっかけは、ちょうど高校生の頃にソ連のアフガニスタン侵攻があり、モスクワオリンピックのボイコットなど、身近なニュースにも世界情勢の大きな動きを感じたことだそうです。
 ゼミ生たちも、中学生のときに起きた9.11事件や、自身の海外体験などに刺激を受けて、国際政治を学ぼうと思ったと言います。『途上国の水の衛生問題』を研究テーマに選んだ梶原沙智さんは「大学2年のとき行ったインドで水にあたってひどい目にあった(笑)」のがきっかけとか。

 梶原さんは「海外で働きたくて」商社に就職を決め、赤塚さんは「メーカーですが、海外勤務ができるところ」へ。日沖さんは「放送局に内定してます。いつか国際政治のドキュメンタリーが撮りたいです!」と言います。
 ここ数年、若い人が海外に目を向けず、日本から出たがらないという傾向が問題になっていますが、このゼミに限ってはそんな心配は不要。「ゼミには同じ興味を持った人が集まってくるから、いろんなことを話せて、刺激しあえる。サークルとはまた違った仲間が作れるのが、ゼミのよさだと思う」と赤塚さん。ここでは、ゼミにはいってから留学を決める人も多いのだそうです。国際政治を学ぶことだけではなく、たくさんの仲間と刺激しあえる環境が、世界をフィールドにしたいという人材を育てているようです。

世界を目指す?ゼミ生たち。
右端が梶原 沙智さん
ゼミ合宿でのひとコマ
(2009年8月 軽井沢セミナーハウスにて)


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