2010年度取材

小島 隆矢 准教授
小島研究室(人間科学部 人間環境科学科)
所在地:所沢キャンパス

研究はテーマハンティングから

 この研究室で扱うのは「建築環境学、環境行動学」。住居・建物・地域といったものを対象に、居住者・利用者のニーズや満足度を調査し、まちづくりなどに生かしていく分野です。・・・と聞くと難解そうな気もしますが、ゼミ室には、街や建物の前でポーズをとっているゼミ生の楽しそうな写真がぎっしり。「遊んでいるだけみたいですが(笑)、これは『キャプション評価法』の実践でもあるんです。カメラを持って街を歩き、気になったところを写してキャプションをつける。その中から、街の特徴、自分と人の見方の違いなどを見つけていく手法です」と小島先生。

 これは先生が大学院生のとき、まちづくりを考える市民グループの活動の中で使うために工夫した手法なのだそう。先生のご専門は「手法研究」、つまり調査・分析の手法そのものを研究されているのです。
 「見る気で見ないと、問題も課題も見えてこないでしょう。それでこんな手法を使う。つまりテーマハンティングです。ゼミ生には、とにかく取り組む価値のあるテーマを持ってこい、と言っています。それについて知見を得るための方法はあとでいくらでも教えられますから」。

合宿に行くときも途中下車しながらテーマ探しの実践。しおりと課題ノートは大学院生の労作とか。

インタビュー手法は必修科目

 そんな先生に、ゼミ生たちは、様々なテーマを持ち込みます。「お笑いが好きだから、お笑い劇場について研究している」(4年・山本 杏子さん)。「地元の町が合併したので、市町村の合併について考えたい」(4年・須田 雅之さん)。2人とも、これからインタビューやアンケート調査をして、論文にまとめていくのだそうです。

 そこで学ぶのが「評価グリッド法」という手法です。これはもともとは建築学の分野で使われるものとか。例えば家を建てる人に「床材は何にするか」「カーペットの種類は」といったことをひとつずつ聞いていってもきりがないし、表面的なニーズしかわかりません。話を整理することで「足音が気にならないようにしたい」という要望なのだとわかれば、適切な対応ができます。そういった「真のニーズ」を見つけるための、聞き取りと情報整理の技法なのです。
 小島ゼミでは、ゼミ内のディスカッションやインタビューで「評価グリッド法」を身につけてから、実際の調査に出かけていきます。「これがゼミの必修科目。問題を整理する方法がわかっていると、検討違いの調査をしなくてすみますから」と小島先生は言います。「評価グリッド法が身につくと、普通の会話をしていても、深いところまで理解できるようになるんですよ。好きな人の好みを聞き出すなんてことにも応用できます(笑)」。

4年・山本 杏子さん 4年・須田 雅之さん

先生が一番はじけてる?

 キャプション評価法、評価グリッド法といった技法の他、アンケートの取り方や統計処理の方法など、テーマにあわせて様々なノウハウが伝授される小島ゼミ。「先生の引き出しは本当に多くて、これがやりたいと言うとどんなことでも教えてくれます」(修士1年・庄司 名奈恵さん)。その言葉に、いっせいにうなづく3~4年生。先生への信頼の程がうかがえます。
 なぜこのゼミを選んだのかを聞くと、「CS調査(顧客満足度調査)など、マーケティングの手法が学べるので、社会に出て役立つと思ったから。それにサークルの先輩にとても楽しいゼミだと聞いていたからです。はいってみたら本当に楽しくて、合宿なんか先生が一番はじけてる(笑)」(3年・鈴木 久留美さん)。
 先生の知識もさることながら、その楽しい人柄にひかれてこのゼミを目指す人が多いのだとか。小島ゼミのいいところは? と聞くと、すかさず「みんな仲がいい、ノリがいい!」という答えが返ってきました。

修士1年・庄司 名奈恵さん 3年・鈴木 久留美さん


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