
可部 明克 准教授 [博士(学術)]
可部ゼミナール(人間科学部
健康福祉科学科 健康福祉理工学系)
所在地:所沢キャンパス101号館
可部ゼミには「ビジネス系」と「エンジニアリング系」の2つのコースがあります。ビジネス系のゼミ生は、独自のビジネスプランを作っています。
今年作ったプランをひとつ紹介してもらうと・・・「私たちのグループでは、高齢者が病院の長い待ち時間を楽しく過ごすためのプロジェクトを企画しました。学生を病院に派遣して、待合室で話相手になったり、買い物などの用事を引き受けるというものです」(3年・堀江 久子さん)。
できあがったプランは、企画書としてまとめ、コンペ(早稲田ベンチャーフォーラム)に提出します。ここで最優秀賞を取り、企業からスカウトされた先輩もいるのだそう。コンペに出すという目標があるため、ゼミ生たちはかなり熱中して、企画を練り上げるようです。
今年は、締切前日にゼミで発表したら、全然まとまっていないことがわかり、徹夜でやりなおしたのだとか。それは大変そう、と思ったら「ゼロから自分たちで作り上げるのは、苦しいけど本当に楽しいです。ゼミでこんなにうれしかったり悲しかったりするなんて(笑)思ってませんでした」と堀江さん。
「課題だから」という受け身の姿勢ではなく、全力で取り組んでいる姿がうかがえました。
堀江 久子さん 一方「エンジニアリング系」のゼミ生たちは、ロボット技術の開発に取り組みます。開発したロボットは、毎年、国際ロボット展に出展しています。
理工学部ではないのに、ロボットの研究? と思われそうですが「理工ではメカニックな部分が主体ですが、このゼミでは、福祉の現場でどうロボットを活用するかを考えています。今、私たちが取り組んでいるのは“笑い”と“癒し”です。話をしていると急に『なんでやねん』と言うロボットとか(笑)。」(3年・赤塚 朋子さん)。つまり、現場でどう使うかから発想したロボット技術なのですね。
とはいえ、ロボットを作る以上、メカニックな技術は必要。それは「先輩の作ったロボットに触りながら、本をひっくり返したり先生と一緒に考えたりして学ぶ」のだとか。「苦労するけど楽しい。時間を忘れてやってしまうので、泊まり込むことも多い」「実験室にはベッドもふとんも完備です」と笑うゼミ生たち。・・・またですか、こっちも徹夜ですか。どうやら、時間を忘れて熱中できるところが、このゼミの持ち味のようです。
赤塚 朋子さん
ただいま制作中! 「このゼミでやっていることを一言で言えば『プロジェクト経験』です」と可部先生は言います。「発案から開発、ビジネス展開、プレゼンテーションまで経験することで、部分ではなく全体を見られる人材になれます」。この方針は企業にも評価され、卒業生は開発・研究などのほか、営業・経理・人事など、さまざまな部署に配属されているのだそうです。
また、ゼミ合宿では、国際的にもハイレベルとされるナンヤン工科大学(シンガポール)の学生たちと英語で交流しています。「ゼミ生には、社会に出たら国を越えて仕事をするのが当たり前になってほしい」と可部先生。
参加した学生は「向こうの学生は、学問に対する考え方が違う。勉強することがそのまま将来につながると考えて、必死にやっています。とても刺激を受けました」(3年・樋口 尚史さん)。
仲間と徹夜で取り組むプロジェクト、アジアの学生との国際交流。このゼミで過ごす2年間は、濃密で刺激的な「学び」の日々と言えそうです。
3年・樋口 尚史さん
産業用のロボットはもうおなじみですが、今は介護・福祉の分野でもロボットの技術が注目されています。技術開発だけでなく、経営学・社会福祉学などの観点からも、ロボット産業の未来について考えている可部先生。このゼミでは、健康福祉分野を対象に、ロボットやIT技術の開発、ビジネス展開の方法などを研究します。ビジネスプランを作成し、ベンチャーフォーラムなどのコンペに参加する「ビジネス系」、ロボット技術を開発し、国際ロボット展に参加する「エンジニアリング系」の2つのコースがあります。
富樫 茂信さん
『ソニーの遺伝子―不可能を可能にした商品開発プロジェクト』
勝見 明著(日経ビジネス人文庫)
今、日本は国力はあるのに元気がない。元気を取り戻すには、若い世代が夢を持ってがんばること。この本は、ソニーの新製品開発を追ったドキュメンタリー。常識を破り、不可能を可能にしていった技術者たちの情熱に触れてほしい。
その他、このゼミで教科書として使っている、以下の2冊もおすすめ。高校生でもわかりやすい入門書。
『はじめてのロボット工学―製作を通じて学ぶ基礎と応用―』
石黒 浩、大和 信夫、浅田 稔著
ロボット実技学習企画委員会監修(オーム社)
『図解 わかる! MBAマーケティング』
グローバルタスクフォース著/池上 重輔監修
(PHP研究所)


