
トーマス J. コーガン
(Thomas Joseph COGAN)教授 [博士(文学)]
(社会科学部 人文科学分野)
このゼミを選んだ理由を聞くと、4年生の雨谷さんは「1年のときにコーガン先生の『英語で語る日本文化史概説』を受講して、先生の知識の深さに驚いたから」。そういえばコーガン先生の研究室、海外の資料と並んで、中世以前の日本文学や古美術品、お茶の道具などがあふれています。日本文化の専門家なのです。
「このゼミでは、自分の興味のあるテーマで、日本と他の国を比較します。ただ調べるだけでなく、2つの国の“国民性”がどこから出ているのかを考えてほしい。すると、日本のことが理解できる。日本のいいところも悪いところもわかるようになります。」とコーガン先生。
たとえば、渡辺さんが取り組んでいるテーマは「日本・ヨーロッパ・アジアの伝統芸能」。歌舞伎、オペラ、京劇などの演劇を比較し、その根底にある価値観を探りたいと言います。
「比較文化」というと海外の研究ばかりをしているイメージですが、実は「自分の国を知る」ことが大きなテーマのようです。
4年・雨谷 つゆ乃さん
コーガン研究室には、
掛け軸や壺、お茶などが並ぶ
4年・渡辺 知広さん
ゼミ生の松井さんは5年生。「1年留学していたんです。このゼミは留学経験者が多いんですよ。自分も、ゼミで先輩の話を聞いたり、あれこれアドバイスをもらえたりしたので、留学が実現できました。」ゼミ生は学年を問わず仲がよく、情報交換が盛ん。もともと海外に興味のある学生が集まる上に、世話好きの先輩のおかげで(笑)、学生の半数近くが留学するのだそうです。
「ゼミ生どうしの人間関係がいいのは、コーガン先生のおかげかな。先生はけっこうマナーに厳しいんです。特に人への思いやりがないことをすると、すぐ注意されます」と松井さん。コーガン先生も「時間を守ること、人への思いやりはしっかり指導します」と言います。どうも、日本人以上に礼節を重んじる先生のよう。
そんな先生の率いるゼミは、雨谷さんによれば「家族みたい」。大切な友人がたくさんできたよね、と話す学生たちの笑顔を見て、仲間との出会いもゼミの大切な役割なのだと感じました。
5年・松井 佑樹さん(前幹事長)
中国茶は、種類によってポットを使い分けるという本格派。研究室でお茶をふるまいながら学生と話すことも多い。

コーガン先生は、学生時代に日本古典文学を研究。日本に魅せられ、留学して京都に住む。以来25年以上、日本に在住。今の研究テーマは「西洋人のアジア観」。歴史的に西洋人はどのように日本や中国や韓国を観てきたかを研究している。学生はこのゼミで、日本と他の国(または地域)を、美術・演劇・教育など、自分で選んだテーマで比較研究する。定員は各学年15名程度だが、毎年倍以上の学生が応募する人気ゼミだ。
「異文化理解」青木 保著(岩波新書 2001)
「多文化世界」青木 保著(岩波新書 2003)
他文化的な世界にうまく生きるために、ほかの国の文化を理解したり尊重したりするのは不可欠な条件だと思います。青木氏はこの二冊で、異文化と他文化について興味深い事実や観察をたくさん指摘しました。高校生にとって二冊が読みやすく勉強になると思います。
「グローバリゼーション」M.B. ステイーガ著(岩波書店 2005)
現在、グローバリゼーションという言葉はよく使われていますが、この観念はいいことか悪いことか分かりにくい時もあります。この本を読んだら、グローバリゼーションの歴史と意味を把握できると思います。短い本ですが、情報はたくさん入っています。よく推薦される紹介書です。
