2009年度取材

トーマス J. コーガン
(Thomas Joseph COGAN)教授 [博士(文学)]
(社会科学部 人文科学分野)

比較の先に「自分の国」が見えてくる

 このゼミを選んだ理由を聞くと、4年生の雨谷さんは「1年のときにコーガン先生の『英語で語る日本文化史概説』を受講して、先生の知識の深さに驚いたから」。そういえばコーガン先生の研究室、海外の資料と並んで、中世以前の日本文学や古美術品、お茶の道具などがあふれています。日本文化の専門家なのです。
 「このゼミでは、自分の興味のあるテーマで、日本と他の国を比較します。ただ調べるだけでなく、2つの国の“国民性”がどこから出ているのかを考えてほしい。すると、日本のことが理解できる。日本のいいところも悪いところもわかるようになります。」とコーガン先生。

 たとえば、渡辺さんが取り組んでいるテーマは「日本・ヨーロッパ・アジアの伝統芸能」。歌舞伎、オペラ、京劇などの演劇を比較し、その根底にある価値観を探りたいと言います。
 「比較文化」というと海外の研究ばかりをしているイメージですが、実は「自分の国を知る」ことが大きなテーマのようです。

4年・雨谷 つゆ乃さん

コーガン研究室には、
掛け軸や壺、お茶などが並ぶ

4年・渡辺 知広さん

家族のようなゼミ

 ゼミ生の松井さんは5年生。「1年留学していたんです。このゼミは留学経験者が多いんですよ。自分も、ゼミで先輩の話を聞いたり、あれこれアドバイスをもらえたりしたので、留学が実現できました。」ゼミ生は学年を問わず仲がよく、情報交換が盛ん。もともと海外に興味のある学生が集まる上に、世話好きの先輩のおかげで(笑)、学生の半数近くが留学するのだそうです。

 「ゼミ生どうしの人間関係がいいのは、コーガン先生のおかげかな。先生はけっこうマナーに厳しいんです。特に人への思いやりがないことをすると、すぐ注意されます」と松井さん。コーガン先生も「時間を守ること、人への思いやりはしっかり指導します」と言います。どうも、日本人以上に礼節を重んじる先生のよう。
そんな先生の率いるゼミは、雨谷さんによれば「家族みたい」。大切な友人がたくさんできたよね、と話す学生たちの笑顔を見て、仲間との出会いもゼミの大切な役割なのだと感じました。

5年・松井 佑樹さん(前幹事長) 中国茶は、種類によってポットを使い分けるという本格派。研究室でお茶をふるまいながら学生と話すことも多い。


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