2009年度取材

大村 敬一 教授 [博士(経済学)]
大村 敬一ゼミ(専門職大学院 ファイナンス研究科)
所在地:日本橋キャンパス
http://www.waseda.jp/wnfs/
(大学院ファイナンス研究科サイト)

社会に出てからこそ、「理論」の必要性を実感

 「大学院」と聞くと「4年間の学部を終えて、研究者になる人が行くところ」と思っている人は、とくに文系の受験生には多いのではないでしょうか?
 ここ、早稲田大学専門職大学院ファイナンス研究科では、学部を卒業して社会に出、仕事をする中で体系的な知識の必要性を実感して再び大学の門を叩いた社会人学生が大半を占めます。「厳しい」と評判の大村ゼミの進め方は、文献についてチームで議論し、先生役になった人が発表するというもの。英語の分厚い論文を渡されて、1週間で発表しなければならなかったこともあるそう。「仕事のあと集まるんですが、夜遅いために開いてる店がなくて居酒屋で勉強したり(笑)。

 大変だとお互い助け合い、工夫するようになるので、ベンチャー企業の社長になったらこの経験が役立つそうですよ」「誰が発表するかはその場で決
められる」ため、授業開始時はみ
んなドキドキ。


ファイナンスの考え方は人生にも当てはまる!?

 今日のゼミのテーマは「リアル・オプション」。難しい専門用語・・・と思いきや、先生はみなさんの生活と同じですよ、と説明してくれます。「将来というものは何が起こるかわからない、不確実なものですよね。不確実なのに対処法を一つしか用意していないと、リスクは大きくなります。たとえばAさんが、2年間の留学の後でB君と結婚したいと思っている。婚約してから留学する場合と、2年後にできる選択権(オプション)を確保する場合とでは、前者は確定できますが、心変りがするかもしれませんから、後者の方が『柔軟性のあるプロジェクト』ということになります。企業のプロジェクト選択も同じように柔軟性を考えて評価します。これを『リアル・オプション』というんです。ほら、日常生活の中でもよくあることでしょう?」

 ファイナンスというと、金融関係の仕事をしている人や企業のエラい人にならないと関係ないような印象を受けがちだけど、普通の生活の延長上にある学問なんですね。ファイナンス研究科は、日本橋の「コレド日本橋」5Fにある。重厚なインテリアが印象的。



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