2009年度取材

町田 守弘 教授 [博士(教育学)]
町田研究室(教育学研究科 国語教育専攻)
所在地:早稲田キャンパス14号館
http://web.edu.waseda.ac.jp/
   (教育・総合科学学術院サイト)

マンガだって教材になる!

 今回紹介する町田研究室は、学部ではなく大学院教育学研究科のゼミ。先生のもとでぜひ学びたいと、現役の先生が休職してまで全国から集まってくるという有名な先生の研究室です。まずは「修士課程ゼミ」を覗いてみると、「それでは、××さん発表をしていただけますか?」「お気づきの点があればご提案いただき・・・」 さすが大学院、国語教育のゼミ。落ち着いた雰囲気と、言葉を大切にする様子が伝わってきます。
 受験生のみなさんは、今まさに「国語の授業」を受けていることでしょう。国語、特に現国の教科書なんて、堅苦しい文章が並んでいるだけに見えるかもしれません。ところが先生に研究テーマをうかがうと・・・「マンガやアニメなどのサブカルチャーを使った授業ができないかという観点で、教材を開発しています。どんなマンガや音楽が好きかを実際に中高生に調査しているんです」とのこと。どうすれば楽しく力をつけられるのか、興味をいかに喚起するか・・・「明日の授業を創ること」を目的に、あらゆる可能性を模索する研究者集団なのですね。

 修士課程1年の後藤 厚さんは、現役の高校教師。「現場にいると、自分の経験を客観的に見たくなりますし、自分のキャパを広げて、授業の幅を広げたいと思って大学院に入りました」。こんな向上心を持ち、実際に行動に移せる先生って素敵です。修士2年の金巻 秀樹さんは学部から大学院に進学し、来春から先生になるそうです。現場を経験した先生と意見を交わして研究をし、その成果を持って教育現場に乗り込む。いったいどんな授業が行われるのか気になります!

研究室の本棚には、専門書と並んでマンガの単行本が!

「学部のゼミでは出ませんが、院生になるとおやつが出ます(笑)」。なごむ雰囲気作りも、先生の方針なのだとか。


「国語教育」のゼミに留学生が?

 続いて、「博士課程ゼミ」。毎年、数人の留学生が在籍するとのことで、中国からいらしたお二人に聞きました。「中国ではゼミ形式の授業はあまりないので、刺激的ですね」と語る丁秋娜(テイ・シュウナ)さんは、中国で日本語を教えていた経験もあるとのことで、町田研究室では国語教育の比較研究を行っています。たとえば、日本でも中国でも国語の教材となっている魯迅の『故郷』(中学校で読んだ人も多いのでは?)を例に、中国では作品に書かれている具体的な内容を分析する「事柄読み」が、日本では登場人物の心を探る「心情読み」が中心だと教えてくれました。中国の子供たちが『故郷』をどんなふうに読んでいるのか、興味深いですね。

 「日本語に関心を持って中国で日本語を学び、また日本語を教えていました。留学して日本の大学で修士号を取り、博士後期課程から町田研究室に所属しました」と語るのは、李軍(リ・ジュン)さん。漢字・語彙を学校でどう教えているかという教育法、日本の漢字教育の特徴を研究しているそうです。日本人はひらがなで書けばなんとかなりますが、漢字だけですべてを表現する中国。漢字の教え方には、日本とは違った工夫がありそうです。
 最初は国語教育のゼミになぜ留学生が?と疑問でしたが、なるほど、共通する部分やお互い参考にできる部分は多そうですね。
 さまざまな経験、国籍、年齢のメンバーたちに開発された国語教材。次世代を担う子供たちの礎になる研究、期待しています!

丁秋娜さん

李軍さん


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