2011年度取材

早稲田に数ある映画サークルの中でも
最大規模を誇る、早稲田大学映画研究会。
映画撮影をすべて自分達で行い、
数々の賞を受賞してきた本格サークルです。

映画製作の舞台裏

文化系サークルの代表格、映画サークル。早稲田大学には大小様々な映画サークルがあり、東京学生映画祭や早稲田映画まつりなどの映画祭で各サークルが自分たちの作品の上映を行っています。森見登美彦『四畳半神話大系』のように映画サークルを題材にした小説なども多くありますが、自主映画制作の舞台裏とはどんなものなのか、1918年設立の早稲田大学映画研究会、通称「早大映研」に聞いてみました。
 「早大映研での制作は基本的に個人活動です。監督がカメラマンや役者などのスタッフを各自で募集します。スタッフは固定で決まっているわけではなく、撮影のときに集まってくれた人にその場で割り当てることもあります。脚本は監督が書くことが多いですね」と幹事長の堀咲恵さん。映画研究会での制作は本格的でカメラや照明の機材がそろっているのはもちろん、小道具、大道具、衣装の制作からメイクまでも行うそうです。この大掛かりな映画制作、いったいどれくらい時間がかかるのでしょうか。

「10分位の短編映画を授業期間にとった場合だと、脚本から編集まで丸一ヶ月くらい。撮影そのものは1日2日で終わります。長期休みには1時間ほどの長編映画を2ヶ月くらいかけてしっかり作ります。撮影も撮影合宿なんかして」。私たちが見ている映画の上映時間はその何百倍もの時間の結晶なんですね。
 ちなみに、昨年のカンヌ国際映画祭で日本人では45年ぶりの「短編カンヌ映画祭短編コンペティション部門」入選となった作品『ふたつのウーテル』は、早大映研の田崎恵美監督作品。TOHOシネマズ学生映画祭や、ぴあフィルムフェスティバルと受賞を重ねてきた注目の若手監督も、早大映研出身なんです!

この映画用のカメラは定価で30万もする高価なものだそうです。 役者にメイク中、怪獣用の特殊メイクもバッチリです。


「撮影合宿」と聞くと楽しそうな印象ですが、実際の現場では緊張の場面が多いようです。
 「和気あいあいとしている部分もありますが、撮影現場はすごくピリピリ、空気が張り詰めていてみんな真剣です。スタッフ同士の意見の衝突もなんかもあります」。メンバーはそれぞれに確固たるビジョンを持って取り組んでいるということですね。正解のない芸術活動だけに、衝突は激しくなりそうです。映画製作というのは、結構キツイ部分が多い活動なのでしょうか・・・。
 「たとえば冬が舞台の作品を夏に撮っているとき、暑いのに服を着こまないといけないじゃないですか。あれは辛いですね(笑)」。・・・そういうキツさも! 緊迫した現場にもユーモアあり、というエピソード。「ほかにも断崖絶壁での撮影だったり、夜の撮影が長引いて徹夜での撮影になったり、そういう場合ってご飯をまともに食べられないんですよね。あんぱんばっか食べてて、お前は刑事か!みたいな(笑)」。話を聞くと笑ってしまいますが、真剣にやっているからこそのシチュエーションです。
 「撮影で文句ばっかり言ってても、そのときの思い出を後々語り合うのも楽しいんですよ。『あのときあんなに辛かったよね』って。やっぱりそうやって一緒に映画作った人と一番仲良くなれますね」

夜間の撮影、照明を使って演出します。撮影は深夜に及ぶことも。

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