2009年度取材

日本の古典芸能を代表する「能」を学び、謡い、舞う。
まず動いてみること、体で感じること。
そこから古典文化の理解が始まります。
戦前から続く、伝統あるサークルです。

最初はみんな初心者

学生会館の地下にある「能舞台」、大学内にこんな設備があることにまずびっくり。中にはいると、白足袋をはいたメンバーたちが、鏡に向って稽古中。室内には独特の旋律にのせた、朗々とした声が響いていた。
かなり本格的な動きと発声だったので、大学にはいる前からやっていた人たち? と思ったら「いえ、サークルにはいる前は、能を見たこともないという人がほとんどです」と、副幹事長の長山さん。新入生歓迎会で初めて能の舞台を見て入部する人も多いらしい。
そんな初心者も、入会して1ヶ月後には初舞台を踏むのだそうだ。プロの能楽師の指導を受けられるとはいえ、1ヶ月で舞台? 能を理解するだけでも大変そうなのに?


長山 亜紀さん(文学部)

「難しいことはあとにして、まず動いてみる、大きくはっきり声を出す。それで初歩的な演目をマスターしたら、とりあえず舞台に出ます(笑)。最初から高尚なものを要求せず、スモールステップでやっていくんです。これが観世会の長い伝統でつちかわれてきた稽古方式です」。まず体で覚え、興味を持ったらプロの舞台を見たり、図書館で調べたり。そうやって少しずつ、理解を深めていくのだという。


持ち味はアットホームな雰囲気と礼儀作法

メンバーに能のどこがいいのかを聞くと、次のような声があがった。
・旋律が心地よい
・体を動かすのが楽しい
・ポーズを決めるのが快感
・着物が着られる
・だんだん奥深さがわかってくる
・礼儀作法が身に付く

 「礼儀作法」という答には納得。実はこのインタビュー、能舞台下の板の間に正座で行った。インタビュアーは途中で足をくずさせてもらったが(すいません!)、メンバーはしっかり背筋を伸ばし、きちんとした言葉遣いで答えてくれた。伝統芸能だけに、礼儀作法には厳しいのだ。でも決して堅苦しい雰囲気ではなく、みんなとても明るくフランクで、仲がよさそう。能をやりたいというより、このアットホームな雰囲気にひかれてはいる人も多いのだとか。


1年・弓座 麗美さん(文学部)

1年生の弓座さんは「能のことは何も知らずに入り、先輩や師匠の先生と出会って、世界が広がりました。礼儀作法もそうですが、いろいろな意味で、とても自分を高められるサークルだと思います」と言う。能を通し、仲間や先生との出会いを通し、自分を磨く。それも「観世会」の伝統のようだ。



 中学・高校時代は運動部。大学では違うことをやりたくて、観世会に入りました。
ここで人間的に大きくなれたと思います。何か変わったことをしたかったら、足もとの日本文化に戻ってみませんか。

佐々木 真行さん(社会科学部)

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